ハーモニカと呼吸法(色文字はリンクしています)

 ハーモニカは呼吸法そのものである。 吐いたり吸ったり、呼吸と同じ動作を繰り 返し演奏する。 しかしハーモニカを吹くというがハーモニカを吸うとは言わない。 一般的な楽器で息を吸って音を出すものはハーモニカだけである。 中国の古い楽器 「シエン」や良く似た雅楽で使われている「笙」(ショウ)が吹き吸いの両方で音を出 すので、ハーモニカの先祖と考えられている。

 呼吸は普段、私達は無意識で行っている。 呼吸が停止することは死を意味するが 呼吸が重要だとは通常考えていない。 喘息や咳、タンで苦しむ時や潜水とか息苦し い状態の時などを除いて自然に楽に呼吸ができる有り難さも忘れている。 しかし生 きていくうえで一番大事なのが呼吸である。  呼吸法と法がつくと、無意識で行っている呼吸をその目的に従って意識的に行うこ とを意味する。 呼吸法と言われるものは精神的統一など瞑想も含んだ健康法や運動 や楽器演奏もいれた諸動作の手段として語られることが多い。

 音楽で考えると声楽 と管楽器が呼吸法と深い関係がある。  声楽も管楽器も息を吐くときに音声を出す ので、息を吸うことは、健康法と同じく重要ではない。 吐き切れば自然と瞬時に息 を吸えるからである。 ハーモニカは吸うときにも音を出さねばならないので、他の 管楽器以上に呼吸や息つぎが重要である。  呼吸法は大きく分けると3種類ある。 胸式呼吸と腹式呼吸丹田呼吸である。 ハーモニカの演奏は、特別な呼吸器系の疾病や空気が希薄な高山で吹くことを除いて は健康に大きく寄与できると考えられます。 ハーモニカの演奏は健康法でもあると 思います。 

  
私達はオギャアと産まれたときは腹式呼吸をしているのですが、成長 すると胸式呼吸になるようです。  赤ちゃんは胸郭がまだ発達していないのでお腹 (ナカ)を膨らませ息を吸い、凹ませて息を吐いていますが成長するにつれ胸で呼吸を するようです。 その端的な例が深呼吸です。 体操の後にする深呼吸は胸を広げる 動作です。     このことから腹式呼吸と胸式呼吸の違いは分かると思いますか 腹式呼吸は息を吐くときにお腹(ナカ)を凹まします。 吐き終われば苦しいので自然 と息を吸いお腹は膨らみます。 拡大できます!

 男性は腹式呼吸が直ぐできるのですか、女性は腹式呼吸が何故か難しいようです。 私の推測では、妊娠や出産と関係あるのではな いかと思っています。

 腹式と胸式呼吸の違いは分かり易いのですか、丹田式呼吸法は一寸分かり難い呼吸 法です。 腹式呼吸の延長線上にある呼吸法と考えて良いと思います。  胸式呼吸 とは全く違います。 胸郭の下、水落ちと言われる部分から臍(ヘソ)の下、特にヘソ の下部を「丹田」というが、そこを使う呼吸法です。 呼吸の呼のとき、即ち息を吐 くときお腹を凹ますのでなく、その丹田の部分を加圧、腹圧をかけるのです。 息を 吐くとき、丹田の部分に力を入れて、そこを収縮するのです。(このとき肛門も引き 締まる感じで、呼吸法としては吐くとき水落ちを前に折るような動作もあります。)  

 先日、和谷さんのハーモニカ入門のビデオを見せて貰いましたが最初に腹式呼吸の レッスンがあり、流石というおもいと我が意を得たりでした。 ハーモニカの入門書 や教則本の類に口の形やブレス・コントロールということは多少触れてあるが呼吸法 の腹式呼吸には殆ど触れられていないことが不満足でした。    呼吸を健康のためのテクニックとして考えたのは古くはお釈迦さまのようですが、 様々な呼吸法があり、それは腹式ないし丹田呼吸法と呼ばれるモノです。 ヨガでも 呼吸法は重要な位置をを占めています。

  呼吸法が何故、健康に良いか考えてみま すと、物理的に、化学的に、更に精神的にも良いのです。 物理的にとは、呼吸筋、 特に横隔膜を意識的に力強く動かすことにより肝臓や腎臓、心臓などの内蔵を強化で き運動療法と同じ効果を簡単に達成できるしジョギングなどのような危険性もない。  つぎの化学的効果ですが、人間もエネルギーを食べ物から取りますがその後始末が 問題です。 健康を損なったり老化や成人病の原因は、老廃物を完全に体外へ排出で きなかったり活性酸素により組織が正常でなくなるからです。 老廃物は個体として の便や液体としての尿、気体としての息などから排泄します。  

 特にガス交換 と言うのでしょうか新鮮な空気を取り込み、汚染され毒素のある気体は早く体外に出 すことが血液を綺麗に保ちます。  呼吸法は個体、液体、気体の老廃物を早く排出 することに役立ちます。これが化学的効果です。 精神的な効果は呼吸を、特に呼気 の吐く息を長く行うことにより心理的に精神が安定し心地よい気持ちとなりストレス 解消、脳波がα波になる、身体によいホルモン等が分泌されるなどの相乗効果も期待 できます。  呼吸法による健康法はこのように良いこと尽くめなのですが、ハーモニカの演奏を これらのことをベースに行えば、正にハーモニカは健康法の鬼に金棒となるのではな いでしょうか。 

 さらに音楽療法という分野も確立されていますが自らの息吹、吸 で妙なる自分にセラピーな音楽を奏でられるハーモニカは最高です。 またカラオケ による健康法というのもありますが、合奏、アンサンブルによる調和、一体感と胆 (ハラ)から声を出す快感、これもハーモニカの方が良いと思いませんか。  ハーモニカ演奏のテクニックと呼吸法の関連ですが、私はハーモニカを始めて2年 余の初心者ですから、このようなことを語る資格も演奏技術もありませんが、もとも と健康法の1つとなるのではというおもいでハーモニカをやりだしたことと以前から 呼吸法には興味をもっていましたので今、感じていることを書いてみます。 

 ズバリ!、ハーモニカは丹田呼吸ではないかと思っています。 数少ない経験です が、最初は胸式呼吸に近い吹き方だったのではないかと思っています。  口の形の 問題もありますが、音が汚く伸ばせず不揃い、吸い音弱い、低音部、高音部の端の音 がでない状態(リズムも駄目でしたが)でした。 そればかりか口先で強く吹くため か中、高音部のどれかの音が出なくなったり、音が下がったりしました。  大半は リードに亀裂が入ったようで修理を依頼し1カ月も経たないのに又他の音が下がって しまうことが度々ありました。(ホーナーの クロマチックCX−12,270を主に 使用していますが新品購入価格より修理代の合計の方が高くなっています)  どれかの音が突然狂いだすとハーモニカを吹く意欲がなくなります。 私の吹き方 に欠陥があるのか、ハーモニカはこんなものなのか随分悩みましたが口先でなく腹で 吹けば良いのではないか、その方が音も綺麗だと思いましたが腹式呼吸との関連はす っきりしませんでした。  吹くときは腹を凹ますことを意識して吹いてみましたが 旨くいきませんでした。

 そのうちに下腹に力を入れながら吐いたり吸ったりして吹くと旨くいきそうだし、 横隔膜の振動によるビブラートも多少かかりそうなので、今は徳永延生先生の唇を尖らす ように動かすベント的な方法も合わせ、下腹に力をいれる吹き方をしています。  これはまさしく丹田呼吸法によるハーモニカの吹き方ではないかと独りよがりです が、こんなやりかたで吹いています。(音階練習みたいなものばかりやって課題曲? が進みません!?)  

なお丹田とは、いわゆる臍下丹田という東洋医学では気が集中する臍のしたで、 その人の親指を除いた手の平の巾位の臍のしたあたりを云い、下丹田ともいいます。 中丹田は水落ちの部分で上丹田は額の辺りをさすようです。 丹は硫黄と水銀からで きた赤土で不老長寿の薬と思われていたようです。 丹田呼吸法につきましては私もマスターしているわけではないのですがハーモニカ を吹かないときも、下腹に力をいれて、口を多少尖らせて「フゥー・・・ 」と息を できるだけ長く吐いて(吹き出して)います。 時にはお腹を動かしながら急激に吐 き吸いを繰り返すようなこともやっています。  これは何処ででも又短時間でやれ ますが、背筋を伸ばし、できるたけ長く吐くようにしますが、けっして肩や頚に力が 入らないように注意して、下腹に力を入れることです。  初めての人は息を吐くとき腹を凹ます腹式呼吸を練習し、次に吐くときに息を吸っ て膨らんだ腹を凹まさずに下腹に力を入れて息を長く吐く丹田呼吸へ移れば良いと思 います。

 ハーモニカも呼吸法も本当に始めたばかりの初心者が少し生意気なことを書いてし まいました。 何かの参考になり、先輩諸氏より演奏テクニックや練習方法、体験談 などをご教示戴ける契機になれば幸甚です。                     


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